2008年04月09日

「狐火の家」貴志祐介

狐火の家

著者名:貴志祐介(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.03
ISBN :9784048738323


貴志祐介による、弁護士・青砥(あおと)純子&防犯ショップ店長・榎本径(けい)の「硝子のハンマー」コンビの中短編集。

すべて密室を扱った事件なんですが、それぞれにテイストが異なるので、飽きることなく楽しめました。

表題作「狐火の家」は、唯一の出口の外には、足跡が付いていない、というガチガチの古典的密室。
物語としては後味は悪いけれど、集中では一番面白かったのですが、「硝子のハンマー」と同じ犯人視線での解決編は、やめて欲しいです。
ミステリとして面白くない。

「黒い牙」は、サスペンス風の密室もので、純子以外には、たった二人しか登場人物がいないのに、読ませます。(まあ、他にアレ≠ヘいますが・・・)
それにしても、こんなの実行可能なのかぁぁぁぁ!!!???
と、思えるバカミス的トリックは、どうよ???

それにしてもアレ′凾「な人には堪らないでしょうね。
私が小さい頃に住んでた家には、「狐火の家」に出てきたアレ≠ヘいたのですが、すごく大人しかったので結構平気でした。。。
でも、「黒い牙」のラストのスプーンがどうこうというのは・・・??? 気持ち悪すぎ!!

そして、榎本視線で、将棋の棋士の密室殺人を解く「盤端(ばんたん)の迷宮」
殺人があった部屋に、内側からチェーンがかかっているのですが、犯人にも、被害者にも、動機がない・・・という動機探し≠ェ面白い。
でも、刺されたのに、咄嗟に棋譜(1六桂)と時間的(二時十分)なことにまで頭が回るのかがすごく気になりました。

で、問題の「犬のみぞ知る Dog knows」 
これはまあ、オマケみたいなものですね。(笑

とにかく、全編を通して、純子&榎本コンビの掛け合いが楽しいです。笑えます。
筆者によれば、少なくともあと1冊は続編が、書かれるみたいなので、鶴首して待ちましょう。

貴志祐介と言えば、韓国版映画の「黒い家」が公開されますね。
こっちは日本版・大竹しのぶバージョンより、さらにホラーテイストがアップされてる感じで怖そうです・・・

黒い家

著者名:貴志祐介(著)
出版社:角川グループパブリッシング
出版年:1998.12
ISBN :9784041979020


↑ これは日本版ですが、今はカバーが韓国版「黒い家」バージョンになってます。
posted by たちばな ますみ at 09:08| Comment(2) | TrackBack(0) | 貴志祐介

2008年03月17日

「硝子のハンマー」貴志祐介

硝子のハンマー

著者名:貴志祐介(著)
出版社:角川書店
出版年:2007.10
ISBN :9784041979075


まもなく出るであろう貴志祐介の青砥・榎本コンビの短編集「狐火の家」の予習として、密室ミステリ「硝子のハンマー」を読みました。

お話は・・・
日曜の昼下がり、株式上場を目前に、出社を余儀なくされた介護会社の役員たち。エレベーターには暗証番号、廊下には監視カメラ、有人のフロア。厳重なセキュリティ網を破り、自室で社長は撲殺された。凶器は。殺害方法は。すべてが不明のまま、逮捕されたのは、続き扉の向こうで仮眠をとっていた専務・久永だった。青砥純子(あおと・じゅんこ)は、弁護を担当することになった久永の無実を信じ、密室の謎を解くべく、防犯コンサルタント榎本径(えのもと・けい)の許を訪れるが―。
(「BOOK」データベースより)

こんなトリック、分かるわけないですよね。
なんとなくなら分かるけど、私は、窓ガラスを外して、それを倒して頭を殴ったんだと思ってました。
まあ、読み進むうちに、こりゃ、解けないだろうなあ、という予感はありましたけど。

それより、このお話は、やっぱり殺人の動機が弱すぎですよね。。。
(ネタバレ反転)だって、ダイヤを盗めたのに、その後で、わざわざ殺すんですよ。それだけの、強いモチベーションが必要でしょう。

純子と今村の関係もよく分からず。どこかの弁護士事務所の同僚? そこらへんも、もう少し書き込んで欲しかったなあ。純子のプライベートなんかも、スカッシュとエステだけじゃなく。

全体の構成も、事件と犯人側の双方から少しずつ描いていく、例えばビル・S・バリンジャー「歯と爪」みたいにして欲しかったかも。

とりあえず、次回作「狐火の家」に期待!!
ネタバレ御免
posted by たちばな ますみ at 07:02| Comment(0) | TrackBack(1) | 貴志祐介

2008年02月25日

「新世界より」貴志祐介

新世界より 上

著者名:貴志祐介(著)
出版社:講談社
出版年:2008.01
ISBN :9784062143233


新世界より 下

著者名:貴志祐介(著)
出版社:講談社
出版年:2008.01
ISBN :9784062143240



「最後の最後に世界を反転させる。それもSFの醍醐味(だいごみ)です」貴志祐介

2004年の「硝子のハンマー」以来、3年半ぶりの貴志祐介の新作長編「新世界より」
突っ込みどころ満載ですが、とにかく面白い。SF好きの人も、嫌いな人も、必読!!

1,000年後の日本。神栖(かみす)66町をはじめとした9つの町にしか人の住まなくなった日本では、人は「呪力」を持ち、子供たちを徹底した管理の下に置いていた。
「和貴園」に通う、十二歳の渡辺早季、青沼瞬、秋月真理亜、朝比奈覚(さとる)、伊東守の五人は、夏季キャンプで、出てはならない八丁標(はっちょうじめ)の外の世界で人生を変える出来事に遭遇する・・・

悪鬼、業魔、バケネズミ、不浄猫、風船犬、ミノシロモドキ、フクロウシ等など・・・めくるめくイマジネーションの洪水。
悪鬼とは何か? 業魔とは何か? その他、過剰とも思える書き込み、作り込みも、読み進めていくうちに、必要不可欠だったということが分かってきて、物語の面白さ、世界観を広げていきます。

とにかく、未読の方は、本屋へGО!!
(感想は、読了後、「ネタバレ御免」を読んで下さいね)
ネタバレ御免
posted by たちばな ますみ at 18:25| Comment(2) | TrackBack(0) | 貴志祐介