2008年09月22日

「サンマイ崩れ」吉岡 暁

サンマイ崩れ

著者名:吉岡暁(著)
出版社:角川書店
出版年:2008.07
ISBN :9784043900015


第13回日本ホラー小説大賞短編賞受賞吉岡暁(さとし)の「サンマイ崩れ」
とにかく語り口がよく、グイグイ引っ張られました・・・
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2008年06月14日

「クライマーズ・ハイ」横山秀夫

クライマーズ・ハイ

著者名:横山秀夫(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2006.06
ISBN :9784167659035


横山秀夫原作の映画、「クラーマーズ・ハイ」の予告編が、あまりにも迫力があって、かっこ良かったので、(堤真一も好きだし)読んでしまいました。
読んでいる間ずっと、主人公の悠木和雄 = 堤真一 状態。。。
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2008年04月19日

「モンスターズ」山口雅也

モンスターズ

著者名:山口雅也(著)
出版社:講談社
出版年:2008.03
ISBN :9784062145930


山口雅也って最近、人気がないみたいで淋しいかぎり。

別冊宝島の「もっとすごい!! 『このミステリーがすごい!』でも、1988−2008年版で、国内編、「生ける屍の死」が、並み居る傑作を抑えて、宮部みゆきの「火車」に次いで、堂々の第2位!! なのに、「読者が選ぶベスト・オブ・ベスト」では、何と! 20位にも入らず圏外。。。信じられません。票が割れたの?

そんな山口雅也の最新中短編集が「モンスターズ」

ドッペルゲンガーを扱った「もう一人の私がもう一人」
山口らしいトリッキーなハードボイルドもの「半熟卵(ソフトボイルド・エッグ)にしてくれと探偵(ディック)は言った」
タクシーの中の会話だけでストーリーが進められるがオチがイマイチな「死者の車(デス・カー)―――ある都市伝説」
流し読みしちゃった「Jazzy」、そして。

集中で一番面白かった「箱の中の中」。(タイトルからして私好み!!)

強迫観念のように《箱》に執着しつづけた幻の美術家・匣本夜一(こうもと・やいち)
その匣本の居所が二十年ぶりに判明、インタビューすべく、フリーの編集者・綾瀬千尋とカメラマンの吉川恭介、そして、匣本と少なからぬ因縁のある作家・黒木冥海(めいかい)が匣本の元へと赴く。しかし、そこで三人を待ち受けていたのは、謎の《秘密箱》だった・・・

みたいなストーリーです。
ま、これもラストは、普通というか、大ドンデン返し!! もないのですが、《箱》に関する衒学趣味や、匣本の様々な芸術作品の話などは興味深く読めました。
(この綾瀬千尋&吉川恭介コンビは、他にも作品があるみたいなので、このテイストのストーリーなら、そちらも是非読んでみたいです。)

ラストは、吸血鬼(ヴァンパイア)、人狼(ヴェアヴォルフ)などモンスター総出演の「モンスターズ―――怪物團殺害事件」

てなことで、「生ける屍の死」を未読の方は、本屋へGОですよ!!

生ける屍の死

著者名:山口雅也(著)
出版社:東京創元社
出版年:1996.02
ISBN :9784488416010

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2008年02月12日

「アイの物語」山本 弘

アイの物語

著者名:山本弘(著)
出版社:角川書店
出版年:2006.06
ISBN :9784048736213


山本弘「アイの物語」、図書館に昨年の4月に予約して、やっと順番が回ってきました…。

アイはアイビスの愛称。それは「I(私)」であり、「AI(人工知能)」であり、「i(虚数)」であり、「愛」である。

人類が衰退して大都市は廃墟と化し、マシンが世界に君臨している遠い未来。「語り部」と呼ばれる僕は、食糧を盗んで逃げる途中、美しい少女型の戦闘用アンドロイドと出会い、戦いの末に負傷して捕えられる。
 病院に収容された僕に、アイビスと名乗るアンドロイドは、仮想現実や人工知能を題材にした6つの物語を、毎日読んで聞かせる。時代も境遇も性格も異なる6人の女性「私」による一人称の物語。それらはいずれもフィクション――現実には起こらなかったことだという。
 はたして物語を聞かせるアイビスの真意は何なのか。なぜアイビスは生まれたのか。なぜマシンは地球を支配するようになったのか。彼女が語る7番目の物語に、僕の知らなかった真実が隠されていた。

ロボットものの本書を読みながら、連想するのは、もっぱらアイザック・アシモフによる「われはロボット」「鋼鉄都市」などの物語ばかり。

特に、最後の第7話「アイの物語」は、アシモフの名作「バイセンテニアル・マン」(「アンドリューNDR114」のタイトルで映画化もされました)を思い出しながら、読みました。
「バイセンテニアル・マン」は1976年に発表された作品なので、30年以上が経っていて、扱っているテーマは違えど、アシモフの「ロボット工学三原則」を破ろうとするロボットの物語という意味では同じです。

どちらのロボットも、切なく、ロボットゆえの孤独と悲哀を感じました。

それにしても、雑誌に掲載された軽めの前半5編と、じっくり読ませる書下ろしの「詩音が来た日」「アイの物語」の後半2編の全7編で、6話目までは、フィクションで、最後の1話だけが本当の話で、すべての物語に、それぞれ語られるべき意味があったという構成は素晴らしいですね。

最後になりますが、ミステリ好きの私としては、「アイの物語」のラストの、(ネタバレ反転)キャラクターを育ててるはずが、逆に育てられてたというのが、きれいなツイストで気持ちよかったです。
われはロボット 決定版

著者名:アイザック・アシモフ(著)
小尾芙佐(訳)
出版社:早川書房
出版年:2004.08
ISBN :9784150114855


聖者の行進

著者名:アイザック・アシモフ(著)
池央耿(訳)
出版社:東京創元社
出版年:1979.03
ISBN :9784488604073



「バイセンテニアル・マン」は、「聖者の行進」に収録されています。
「われはロボット」は、傑作短編集で、ミステリ好きの方なら絶対読むべし!!(映画「アイ、ロボット」の原作ではありません。設定を借りた、くらいなものです)
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2008年01月29日

「MM9」山本 弘

MM9

著者名:山本弘(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.12
ISBN :9784488018122


怪獣映画が好きです。
ゴジラガメラもみんな好き。

聖典と呼ぶべき第1作の「ゴジラ」(アイパッチにサングラスの平田明彦が渋すぎ!!)などは別格として、3式機龍(メカゴジラ)のオペレーターの家城茜(やしろ・あかね=釈由美子)が活躍する2002年の「ゴジラ×メカゴジラ」、中山忍、水野美紀、前田愛&亜季たちが素晴らしかった、平成ガメラシリーズなどなど・・・その魅力は、とてもこのスペースには書ききれません。(←怪獣というより女の子の名前ばっかりだけど)

そんな怪獣好きの人たちのために書かれたのが、山本弘の本書「MM9(エムエムナイン)」です。

もう第1話から、頭の中ではBGM鳴りっぱなし、すべてのシーンがビジュアル化されまくり状態で、なんとか実写化して欲しい!! 
作者もそれを考えてる節があるみたいだし(作者のHPには、第四話に出てくるメガドレイクのイラストあり。ちゃんと着ぐるみになってます)映画じゃなくてもいいので、お願いしたいです。

お話は…
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、怪獣対策のスペシャリスト集団「気象庁特異生物対策部」、略して「気特対」が日夜を問わず日本の防衛に駆け回っていた。多種多様な怪獣たちの出現予測に正体の特定、そして自衛隊と連携するべく直接現場で作戦行動を執る。世論の非難を浴びることも度々で、誰かがやらなければならないこととはいえ、苛酷で割に合わない任務だ。それぞれの職能を活かして、相次ぐ難局に立ち向かう気特対部員たちの活躍を描く、本格SF+怪獣小説。
(「BOOK」データベースより)

怪獣≠ニいうありえない存在を、「多重人間原理」という架空の原理によって辻褄をあわせつつ、伏線にも利用。上手いです。

また第四話「密着!気特対24時」は、気特対にTV取材が入るお話で、例えば

男N「今夜の『特捜チューズデイ』は、怪獣災害と戦う人々に体当たりの密着取材を敢行。彼らの日常やその活動に迫るとともに、日本に迫る怪獣災害に警鐘を鳴らす!」
ひときわ派手なテーマ音楽とともに、タイトルが出る。

男N「『密着! 気象庁特異生物対策部24時/怪獣災害から日本を守れ!』」


てなノリで、気特対の日常と、「多重人間原理」についても描かれていて楽しいです。

怪獣好きな方、どうぞ。
「GU〜レギオン襲来〜」に関しての蛇足
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2007年12月10日

「雲上都市の大冒険」山口芳宏

雲上都市の大冒険

著者名:山口芳宏(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.10
ISBN :9784488023973


第17回鮎川哲也賞受賞作。
今年一番のバカミス。

お話は・・・
白のスーツを身にまとう眉目秀麗な荒城咲之助、学ラン姿に近未来的な義手を持つ真野原玄志郎。二人の名探偵と、わたし殿島直紀が挑む雲上都市の謎。楽園の地下に潜む、座吾朗とは何者なのか?そして連続殺人に隠された真実とは?気障で美形の探偵&わらしべ義手探偵。二人の名探偵が織りなす抜群の物語性と、ラストに明かされる驚愕のトリック。
(「BOOK」データベースより)

確かに、密閉された地下牢からの脱出は、驚愕のトリック≠ゥも知れませんが、(ネタバレ反転)
これって、脱出してませんよね? その意味でトリックにすらなってないと思うんですが・・・

作者は、様々な義手をアタッチメントで使い分ける真野原の方で、シリーズ化しようとしてるみたいだけど、探偵二人も必要だったのかなあ・・・
それはともかく、私は観念して、拘束されている犯人の顔を足蹴にするような探偵も作者も嫌いです。

ところで、私は読み始めてから、巻末の選評を読んだんですが、これがまた、読む気をなくすようなのばかり。

笠井潔曰く、
全体として、水準も低下しているように感じる

島田荘司は、
今年は低調であった。

山田正紀も、
(最終選考に残った作品が三篇しかなかったのは)今回は全体的に低調だったということらしい。(中略)それは最終選考に残った三篇の作品からも容易に推察できることだった。

以上、あまりオススメしません。
posted by たちばな ますみ at 10:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・や行

2007年08月11日

「離れた家」山沢晴雄&「むかで横丁」

離れた家

著者名:山沢晴雄(著)
日下三蔵(編集)
出版社:日本評論社
出版年:2007.06
ISBN :9784535584853


表題作「離れた家」は、とにかく「美しい」の一言。
とても昭和38年の作品とは思えません。

「こんな犯人、おらんやろ〜」とは思いつつ、久々に「推理小説」を、読んだ気がしました。
長坂秀佳脚本の「特捜最前線」のエピソードみたいと言うか・・・それ以上と言うか・・・

何せ、犯人の組み立てる巧緻かつ繊細なアリバイ・トリックを、補完させるべく、かつて見たことも聞いたこともないような、状況設定がなされます。
それも、事件が起こってすぐに、トリックを暴く、時系列の実施計画書が発見されるんですが、そこからが作者・山沢晴雄の腕の見せ所です。
これで複雑・難解にならない訳がないでしょう?! その難解さゆえに、幻の傑作になるべくしてなってしまった傑作ということでしょう。

この本は、サブタイトルにあるように「山沢晴雄傑作集」なので、ガチガチの本格もの(アリバイもの中心)以外にも、「宗歩忌」みたいに幻想的なものなんかもあるんですが、やっぱり「離れた家」が一番です。

で、解題にも出てくる「むかで横丁」「絢爛たる殺人」所収・光文社文庫)も、気になるので、読んでみました。

こちらは、推理作家3名によるリレー小説なわけですが、山沢氏はもちろん「解決篇」を担当してます。
「発端篇」「発展篇」担当の2人との相談等は禁止されているにも関わらず、伏線を丹念に拾って、すべてをまとめ、様々な条件があるのに、ここでも複雑な解答を提出し、さらにどんでん返しまで用意する力技には、ホントに感心しました。スゴイです。

最後に、光文社文庫の「硝子の家」に収められた「離れた家」芦辺拓による解題より

ともあれ、本作品を読まれたみなさんの感想は「ここまでやるか!」の一言でしょう。
それに対する私たちの返答は−−−むろんのこと自戒と反省を込めて言うのですが−−−
本格推理小説というものは「ここまでやる」ものなのです。


絢爛たる殺人

著者名:芦辺拓(編集)
岡村雄輔(著)
出版社:光文社
出版年:2000.10
ISBN :9784334730710

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2007年04月25日

「まだ見ぬ冬の悲しみも」山本 弘

まだ見ぬ冬の悲しみも

著者名:山本弘(著)
出版社:早川書房
出版年:2006.01
ISBN :9784152086990


SFを、あまり読まない人や、苦手な人に、おすすめします。(私もそう)
全6編の短編集で、すごく読みやすいし、これから派生して、他のSF作品や、作家のものを読もうと思えてきます。

私は、今まで読んできた、いろいろなSFを思い出しながら、読みました。
巻頭の「奥歯のスイッチを入れろ」では、SSS(ソニック・スピード・ソルジャー)というニュードロドイド(アンドロイドみたいなもの?)が出てくるんですが、高速で動き回れるので、周りの人間はゆっくり動いてる、みたいな。
島村ジョーですよね? 私は筒井康隆「お助け」を、思い出しました。(古い??)

「闇からの衝動」は、実在の作家であるC.L.ムーアとヘンリー・カットナーが主役だったりします。
クトゥルーっぽい(?)お話ですが、これを読みながら私は、ムーアの「シャンブロウ」を、無性に読みたくなりました。

SFをよく読んでる人なら、「ああ、これはあのお話ね?」って楽しめるんでしょう。
でも、読んでない私でも、そこそこ楽しめました。
興味のある方はどうぞ。ところで・・・
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2007年03月17日

「素数ゼミの謎」吉村 仁

素数ゼミの謎

著者名:吉村仁(著)
石森愛彦(画)
出版社:文芸春秋
出版年:2005.07
ISBN :9784163672304


とにかく読んで下さい!!
この本、面白すぎます。下手な本格ミステリより、よっぽど本格ミステリしてます。

アメリカにいる13年、あるいは17年ごとに一部の地域だけに、何億匹も大量発生し、数週間だけ凄い声で鳴き交わして死んでゆくセミ。
素数ゼミ、周期ゼミと呼ばれる、このセミに関する謎は、大きく分けて次の3つ。


「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」

「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大量発生するのか?」

「なぜ13年と17年なのか?」



作者の吉村教授は、この3つの謎を、さくさく、くいくい、豊かな想像力で、論理的に解いていきます。
特に、3つめの「13、あるいは17という素数でなければならない理由」には感動すら覚えてしまいます。

絵本みたいで、数学なんかが苦手の人でも大丈夫。是非、読んでみて下さいね。
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2007年03月05日

「臨場」横山秀夫

臨場

著者名:横山秀夫(著)
出版社:光文社
出版年:2004.04
ISBN :9784334924294


地味なタイトル、地味な表紙、カバーには粗筋すら書かれていない・・・
でも、やっぱり横山秀夫は面白かった!!

L県警捜査第一課調査官、倉石義男。五十二歳。『終身検視官』の異名を持ち、事件現場へ臨場≠オ、他殺か自殺か事故なのかを見極めるのが仕事である。
この倉石を軸に語られる8篇の連作短編。
さすがは横山秀夫、とにかく登場人物がみんなキャラ立ちしてます!

しかも、8篇ともに切れ味よく、ひねりも効いてます。
ラストがきれいに決まる「赤い名刺」、臨場版「半落ち」(?)の「真夜中の調書」、私が一番好きな、うるっときちゃった「黒星」
今まで完璧に検視してきた倉石が、初めての黒星を喫してまで捜査にこだわった理由は何か?
カッコ良すぎです。

とにかく、どれも面白くて、倉石さんはシブいっ。
それと最後の「十七年蝉」を読むと、続編が出来そうな、これで終わりって言われてるような・・・どちらとも取れそうなところがあります。

まあ、横山秀夫なら、同じキャラクター使わなくても、いくらでも新しいキャラを作れるんでしょうけど。

2004年の本なので、今更ですが、文庫本になったら読んでくださいね。おすすめです。


どうでもいいかも知れませんけど・・・
posted by たちばな ますみ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・や行