2008年07月14日

「初恋」中原みすず

初恋

著者名:中原みすず(著)
出版社:リトル・モア
出版年:2002.02
ISBN :9784898150641


孤独と喪失感。
あの三億円事件の物語。
中原みすず「初恋」
続きを読む
posted by たちばな ますみ at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2008年03月07日

「犯罪ホロスコープT 六人の女王の問題」法月綸太郎

犯罪ホロスコープ 1

著者名:法月綸太郎(著)
出版社:光文社
出版年:2008.01
ISBN :9784334076665


法月綸太郎による星座にまつわる短編集「犯罪ホロスコープT 六人の女王の問題」

お話は…
売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンションには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最近、その劇団の芝居を巡り、二人には感情のもつれがあったらしいのだが…。虻原は、寄稿した雑誌の最終回のコラムに不可解な俳句を二首、残していた。さらに「六人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージが。はたして、俳句に隠された謎とは?(表題作)星座にまつわる六つの謎を解き明かす、まさに端正な本格推理。
(「BOOK」データベースより)

「著者のことば」の、気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない≠ニあるように、6篇ともカッチリした本格もののミステリで、楽しめました。

が、いろんな方のブログで評価の高い「ゼウスの息子たち」は、どうなんでしょ?
(ここからネタバレ)たまたま二組の二卵性双生児のカップルがいて、片方が達也と香織、片方が沙織と和也という名前なんて・・・名前がクロスするようにそろえてあるのは、生まれた時から両家の息子と娘たちを結婚させようという、親たちの意志が働いていたからだと思います≠ネんて言われても・・・って皆さんは思わない? 私だけ?

表題作の暗号ものの「六人の女王の問題」にしても、難しすぎでとても解けません。(あることに対する知識がないと)
分かる人なら、暗号である二首の俳句

琵琶法師 手を暖めし 羽子板星
白衣の裏 死の遊びさえ 虚ろかな


とタイトルだけでも解ける暗号なので、良ければ頑張ってみて下さい。

などと言いつつ、不自然なあるものの数から犯人を特定する「ヒュドラ第十の首」、都市伝説が最後にはキレイに解決される「冥府に囚われた娘」など、しっかり楽しませていただきました。
posted by たちばな ますみ at 07:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2007年11月17日

「収穫祭」西澤保彦

収穫祭

著者名:西澤保彦(著)
出版社:幻冬舎
出版年:2007.07
ISBN :9784344013483


猟奇的な大量虐殺が行われる第一部が、とにかく、いい。

村の北西区の村民が、ほとんど殺害され、主人公の中学生たちの家族も、例外なく殺されてしまうのですが、吹き荒れる殺人という暴力と、台風による暴風雨という非日常的な極限状況の中で、主人公のブキは、自分の母親の遺体に対してまで、性欲を感じてしまう。
暴力に対する欲望≠ニ性に対する欲望≠ニいう人間の持つ大きな二つの欲望≠見事に描いています。

次々と、身内や顔見知りの人間の死≠ノ直面し、親友さえも失い、平常心を無くしていく様子は、臨場感たっぷりで、この第一部だけで終わってくれてもいい、とさえ思うくらいでした。

一応、お話はこんなです・・・

1982年、8月17日、夜。暴風雨の首尾木(おしき)村・北西区で、ほとんどの村民が虐殺される大量殺人の発生が警察に伝えられる。しかし悪天候と現場に通じる2脚の橋が流れたため地区は孤立、警察の到着は翌日になってからだった。かろうじて生き延びたのは中学3年の少年少女3人と彼らが通う分校の教諭ひとり。被害者は、3人の家族ら14名で、そのうち11人が鎌で喉を掻き切られていた。不明な点もあったが、犯人は、事件当日、逃走後に事故死した英会話教室の外国人講師と断定された―。そして9年後、ひとりのフリーライターが生き残った者たちへの取材を開始するや、ふたたび猟奇的な殺人事件が起こる。凶器はまたもや鎌だった…。著者渾身の1944枚、傑作『依存』を超えた書き下ろし長篇ミステリ。
(「BOOK」データベースより)

しかし、1944枚は長すぎでしょ? 第二部、第三部が長すぎ!!
第一部の中の伏線の張り方は素晴らしいし、あれだけの村民を虐殺しなければならない動機が弱いことを除けば、解決篇も素晴らしいだけに、もう少し短くしてくれて緊張感をもったまま解決篇まで持っていってくれてたら・・・という思いが強いです。
(第五部にしてもタイトルである収穫祭の本当の、意味(怖い!!)が分かる訳ですが、蛇足の感は拭えない気がします)


ところで、西澤保彦と言えば、神麻嗣子(かんおみ・つぎこ)シリーズ(能解匡緒ファンです)を途中まで読んでたくらいですが、イメージとしてはロジックで固めてくる本格派≠セったので、この「収穫祭」を読んで、印象が変わりました。。。
こっちの西澤保彦もいいな。
posted by たちばな ますみ at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2007年07月17日

「こどもの一生」中島らも

こどもの一生

著者名:中島らも(著)
出版社:集英社
出版年:2006.07
ISBN :9784087460575


著者中島らも絶賛のB級ホラー小説。
「白いメリーさん」に入ってる「日出通り商店街いきいきデー」を思い出しました。

お話は…
絶海の孤島でサイコ・セラピーを受け、投薬と催眠術により10歳の子供にもどる五人の男女。
ところが、10歳になっても、会社での上司・部下の関係を持ち込み、わがまま放題を続ける男がいた。
それを懲らしめるために他の4人は「ある遊び」を思いつく。
この「ある遊び」こそが、恐ろしい結果を招くとも知らずに…

てな訳で、読み進むうちに、恐ろしい結果も分かっては来るんだけど、らもさんの言う通り、B級ホラーとして楽しめました。(ちょっと期待し過ぎの部分もありましたが)
前半3分の2はお笑いで、後半の3分の1はスプラッタ系ホラーと化します。

また、血ドバドバに必要不可欠な、スプラッタ・アイテム(マグロ包丁とかチェーンソーとかね)は前半の、ここかしこに登場し、後半の爆発的なカタストロフィを予感させます。

そして、当然、その期待に応えてくれて、予想通りのカタストロフィがやってきます。

このお話、最初は舞台だったそうだけど、そっちを観たかったなあ・・・
(古田新太が●●役だったんですね!!)

白いメリーさん

著者名:中島らも(著)
出版社:講談社
出版年:1997.08
ISBN :9784062635776

posted by たちばな ますみ at 15:42| Comment(0) | TrackBack(1) | 国内作家・な行

2007年07月02日

「カカオ80%の夏」永井するみ

カカオ80%の夏

著者名:永井するみ(著)
出版社:理論社
出版年:2007.04
ISBN :9784652086049


「ミステリチャンネル」5月の「これがイチオシ」に選ばれていたので、永井するみ、読んでみました。

主人公は、三浦凪(なぎ)17歳。
夏休みに、クラスメートの雪絵が、書置きを残して姿を消してしまう。
特に仲が良かったわけではなかったが、行きがかり上、雪絵を探すことになる凪。。。

というわけで、典型的な、失踪人探しの、ガーリッシュ・ハードボイルドです。

この作品は、理論社の「ミステリーYA!」という若い世代′けのシリーズらしいんですが、ちょっと謎がさくさく解けすぎです。犯人もすぐにわかっちゃうし、ご都合主義すぎのところもあるし。。。

と、思ってたら、このシリーズのこれからのラインナップを見ると、かなり期待できそうなんです。
鯨統一郎田中芳樹(ゴシックホラー)、海堂尊あさのあつこ、そして皆川博子まで、バラエティーに富んだ(何でもあり?)執筆陣で、講談社の「ミステリーランド」シリーズ同様に、年末のベストテンにも顔をだしそうな感じです。期待しましょう!!

(ところで、この「カカオ80%の夏」は、表紙が松尾たいこさんなので、嬉しかったです)
どうでもいいかも知れませんが・・・
posted by たちばな ますみ at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2007年06月11日

「怪盗グリフィン、絶体絶命」法月綸太郎

怪盗グリフィン、絶体絶命

著者名:法月綸太郎(著)
出版社:講談社
出版年:2006.03
ISBN :9784062705783


綾辻行人「びっくり館の殺人」に続いて、法月綸太郎「怪盗グリフィン、絶体絶命」を読みました。

「怪盗」は、「びっくり館」に比べると、ずっと子供向けで、気楽に読めました。
ただ、呪いの人形の入れ替わりに関しては、子供には、ちょっとヤヤコシイかな? とは思いましたが、これこそがトリックの要、この小説の面白さですよね。
本秀康の軽いタッチの挿絵も、このお話にピッタリです。

でも、私は「びっくり館の殺人」の方を、おすすめします。
「びっくり館」は、ストーリー、挿絵、装丁、フォント、そして例の一文まで含めて総合的に、一冊の本として、手元においておきたい、と思わせる本です。文庫本じゃだめですね。
posted by たちばな ますみ at 08:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2007年03月17日

「生首に聞いてみろ」法月綸太郎

生首に聞いてみろ

著者名:法月綸太郎(著)
出版社:角川書店
出版年:2004.09
ISBN :9784048734745


2005年の「このミス」の国内年間ベスト作品ということで、過剰な期待をした私も悪いのかも知れませんが、ハッキリ言って(スッスッ、ハッハッ)、期待ハズレでした。

トリックのためなら、後味の悪さも仕方なし、とする法月の姿勢はよし、としても、小説としておかしな、ご都合主義や、偶然に左右されるところが、多すぎです。

この作品を手放しで褒めている人っていうのは、そういう箇所すべてに目をつぶっているんでしょうか・・・?

なんだかなー、というのが正直な感想です。
posted by たちばな ますみ at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行