2008年01月15日

「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎

ゴールデンスランバー

著者名:伊坂幸太郎(著)
出版社:新潮社
出版年:2007.11
ISBN :9784104596034


曰く、「伊坂的娯楽小説突抜頂点」
曰く、「現時点での伊坂小説の集大成」

伊坂幸太郎の新作長編「ゴールデンスランバー」は、あちらこちらで絶賛、絶賛、また絶賛。
年末のランキングにも、絶対上位にランクインされるだろうと思われる勢い。

お話は・・・

仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―。精緻極まる伏線、忘れがたい会話、構築度の高い物語世界―、伊坂幸太郎のエッセンスを濃密にちりばめた、現時点での集大成。
(「BOOK」データベースより)

確かに、ラストのエピソードは泣かせるし、伏線のしっかり効いているんだけど、私は「重力ピエロ」「チルドレン」の方が楽しくて、好きです。

伊坂ファンには、いつもの時制の入れ替えや、いつもの(?)豪快キャラの登場人物などなど伊坂ワールド全開・集大成的な作品で楽しめるんでしょうね。
が、ラストのエピソードくらいなら、他の作家で、もっと感動的なものもあるだろうし、こんなの読んだことない!! と大声で叫ぶほどではないような…。

ところで、前半の、友人の森田は何故、爆死しなければならなかったのか? みなさん疑問に思いませんか?
そんな風に、読んでしまうので私はダメなのかも知れませんね。。。

伊坂ファンの方、ごめんなさい。
私も楽しく読んだんですよ、この作品。
posted by たちばな ますみ at 08:59| Comment(2) | TrackBack(0) | 伊坂幸太郎

2007年07月17日

「チルドレン」伊坂幸太郎

チルドレン

著者名:伊坂幸太郎(著)
出版社:講談社
出版年:2007.05
ISBN :9784062757249


「失恋した俺のために、今、この場所は時間が止まっている」

破天荒な性格の家裁調査官の陣内、目は見えないけれど、物事の本質は誰よりも見えている永瀬、その盲導犬べスと、永瀬の彼女でありながらベスに対抗意識を燃やし、嫉妬する優子。。。

「重力ピエロ」もそうだったけど、この「チルドレン」も、冒頭の一言を断言した陣内を初めとして、キャラがしっかり立ってます。悪人って出てこないし。

と、言うよりも、5編の連作短編を、時系列に並べず、過去と未来を行ったり来たりさせつつ、登場人物の個性(取り分け陣内)を際立たせてる処こそが本書のキモかな。

だからこそ、この一作だけではもったいない、続編を書いて欲しいなあ・・・と思ってしまいます。

その分、5編中「バンク」「レトリーバー」以外はミステリ色があまり、ありませんけど。
でも、やっぱり伊坂はいいです。読んでて、楽しいのはもちろん、幸せな気分にしてくれます。

この「チルドレン」を教えてくれたmasakoさん、ありがとう。次は「ラッシュライフ」を読んでみます。
posted by たちばな ますみ at 14:50| Comment(7) | TrackBack(2) | 伊坂幸太郎

2007年06月28日

「重力ピエロ」伊坂幸太郎

重力ピエロ

著者名:伊坂幸太郎(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.06
ISBN :9784101250236


春が二階から落ちてきた。

図書館で、何気なく棚を見てたら「重力ピエロ」があったので借りて来ました。他にも予約してた本が手元に届いたので、「時間的余裕があれば読もう」くらいに考えてたんですけど、冒頭の書き出しの一文に惹かれて、ずるずると読んでしまいました。。。

特に、1章にあたる「ジョーダンバット」は、魅力的な書き出しもさることながら、主人公の泉水(いずみ)と春(はる)の兄弟の関係や性格を際立たせていて、物語のつかみとして、素晴らしい。

ストーリーは、泉水と春、そして癌で入院中の父親が、連続落書き&放火魔の謎を追いかける(簡単に言えばですが)というお話。

放火犯を追う、という謎解きの物語でありながら、謎解き部分はどうでもいいと思えるようなお話でした。
泉水や春、そしてお父さんの会話や、遺伝に関するウンチクや、ちょっと怪しげな元ストーカー郷田順子の言動など、謎解きなしでも十分に面白かったです。

読んでいてすぐに思ったのは、伊坂幸太郎は、善意の作家であるということ。
私の一番好きなのは、次の一文。心が洗われます。

昔から、春が笑うと私たち家族は幸せだった。
posted by たちばな ますみ at 00:28| Comment(2) | TrackBack(1) | 伊坂幸太郎