2008年10月03日

「ガーディアン」石持浅海

ガーディアン

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2008.08
ISBN :9784334076764


石持浅海の最新作「ガーディアン」
石持浅海流奇想ミステリーとは、うまく名づけましたね。
確かに非現実的存在≠セし。。。
続きを読む
posted by たちばな ますみ at 08:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 石持浅海

2008年08月25日

「耳をふさいで夜を走る」石持浅海

耳をふさいで夜を走る

著者名:石持浅海(著)
出版社:徳間書店
出版年:2008.06
ISBN :9784198625405


「君はアルラウネを引き抜いたのか?」

この石持浅海「耳をふさいで夜を走る」も、評価の分かれている作品。
私は◎でした。
「あちら側」と「こちら側」の物語。
続きを読む
posted by たちばな ますみ at 09:15| Comment(0) | TrackBack(1) | 石持浅海

2008年05月20日

「アイルランドの薔薇」石持浅海

アイルランドの薔薇

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2004.09
ISBN :9784334737450


石持浅海のデビュー長編「アイルランドの薔薇」

タイトルは、アイルランド≠ネんて、硬そうな雰囲気ですが、大丈夫。中身はガチガチの嵐の山荘もの*{格ミステリです。

お話は・・・

いまここに鮮やかに咲きほこる“本格”という名の美しい薔薇――西澤保彦
 
 詩人・イェイツが薔薇にたとえたアイルランドの自由。その鍵を握る武装勢力NCFの副議長がスライゴーの宿屋で、何者かに殺された!悲願のアイルランド和平実現を目前に控えた政治的な理由により、警察への通報はできない。外部犯の可能性も消えて、泊まり合わせた客は、NCFの手によって拘束された。誰が、なんのために――。日本人科学者・フジの推理が、一人ひとりの「嘘」と「真実」を暴いていく。「本格」の設定と、北アイルランド紛争という社会派テーマを融合させた、珠玉のポリティカル本格ミステリー!

ポリティカル本格ミステリー≠ゥどうかは別として、本格ミステリを書く為に生まれてきたような作家、石持浅海の、その後の方向性が色濃く出ている処女作です。

しかも、探偵役の日本人・フジは、後の、「扉は閉ざされたまま」「君の望む死に方」の探偵役の 碓氷優佳チャンを思わせる頭脳明晰さとロジックで、真犯人を追い詰めていきます。いいです。

警察を呼べず、科学捜査に頼れない、限られた手掛かりしかない中での真犯人探しにプラスして、読者は殺し屋ブッシュミルズ=i全然怖くない殺し屋ですが)探しも愉しめる、お得な内容。
さらに、ラストには、もうひとひねりもあって、嬉しい限り。

アイルランド問題が分からなくても大丈夫。カタカナの名前が苦手でも大丈夫。すぐ慣れます。

こうなれば、「扉」「君」に続く、倒叙三部作最終話は、優佳チャンVS自然死に見せかけて人を殺す殺し屋で、お願いしたいです。
続きを読む
posted by たちばな ますみ at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 石持浅海

2008年05月07日

「君の望む死に方」石持浅海

君の望む死に方

著者名:石持浅海(著)
出版社:祥伝社
出版年:2008.03
ISBN :9784396208455


「君に望む死に方」は、石持浅海による「扉は閉ざされたまま」の続編。

碓氷優佳。彼女は、いったい何者だ?

まあ、これだけ切れ者なのに、これだけ嫌われてる探偵も珍しいと思います。
私は、「扉は閉ざされたまま」に続いて探偵役の碓氷優佳(うすい・ゆか)チャン、前作に比べると、少し丸くなってたので、大好きになってしまいました。
(あ、同じ石持浅海「月の扉」「心臓と左手」の探偵役の座間味くんも嫌われ者ですよね。この作者、ちょっと変わってる?)

さて、物語は、「扉は閉ざされたまま」から二年後。
ある企業の熱海の保養所で幕を開けます。
先入観なしで読んだ方が面白いと思うので、ストーリーは、今回は載せませんが、お話としては、独立してるので、「君の望む死に方」から先に読んでも問題なしです。

ただ、優佳チャンに関して、いったい何者? という大きな疑問が出てくると思うので、やっぱり「扉」から読む方がいいかも。

それにしても石持浅海、今回もやってくれました。

私は君に殺されることにしたよ。
しかも殺人犯にはしない―――。


どうですか?? この惹句?? 意味分からんでしょう!?
面白そうでしょ??

そりゃあ、今回も前作同様、動機は弱いし、優佳チャンは勝手に首突っ込んでくるし、表紙はアレだし・・・(表紙の見返しの左から二人目、メガネのおじさんって、作者ですよね?)

でも、面白い!!!
何よりも、このオリジナリティ!! 今回は、その事件が「起きるまで」のお話。
私は、作者が一番、努力していると思います。続編を希望するのは簡単だけど、書く方は簡単じゃないですよ。
(まあ、これは倒叙三部作らしいので、少なくともあと一編は読めるんですよね)

そして、今回も、嫌われつつも鋭い推理で追い詰めていく、美しき、おせっかい探偵(?)碓氷優佳
前作「扉は閉ざされたまま」では、その場面、場面での対決状態だったのが、今作では、ラストでの全面対決になってて、そこでの伏線の回収が、やっぱりお見事。

これだけオリジナリティのある状況設定の物語を書ける石持浅海という作家の作品を、こうしてリアルタイムで読めるしあわせを私は感じてます。
必読の一冊。

ラストについてネタバレ(ラストを解くヒントは、プロローグにあたるP9の最後の行にあり。
もしも、日向が梶間を返り討ちにしていたら、夜のうちに通報するはずなので、これはありえません。
梶間が日向を首尾よく殺していたとすれば、朝になっての通報になりますが、この場合、最後の行の人が死んでいる≠ナはなく殺されている≠ニ通報すべきなのでは?
さらに、殺されていれば、救急車は呼ばずに、絶対警察に通報するはずでしょう?
と、言うことは、答えは一つ。
日向は、梶間が部屋に来てから後に、殺されたのではなく、死んじゃったのですよ。
例えば、酒の飲み過ぎとか、梶間と戦ってるうちに頭に血が上って脳梗塞になったとか、心筋梗塞になったとか・・・
で、自然死に見せかけるために、梶間はそっと部屋を出て、朝になって小峰さんが見つけたというのが、真相です。以上QED。
もしくは、園田または堀江の自殺という線もあり。


「扉は閉ざされたまま」感想
posted by たちばな ますみ at 07:23| Comment(2) | TrackBack(2) | 石持浅海

2008年04月30日

「賢者の贈り物」石持浅海

賢者の贈り物

著者名:石持浅海(著)
出版社:PHP研究所
出版年:2008.03
ISBN :9784569698496


石持浅海「賢者の贈り物」、思わぬ拾い物でした。
PHP文庫「文蔵」に、隔月連載されていた、童話やО・ヘンリーの物語などをモチーフにした短編集。
(特に決まった登場人物も探偵役もなく、ただ磯風さんという名前の美人の女性が毎回登場しますが、同一人物ではありません。よね?)

ついつい、一気に読んでしましましたが、もったいないことをしました。
出来れば一日一話が理想かも。

お話は、石持浅海お得意の安楽椅子探偵もので、同じ石持の、「Rのつく月には気をつけよう」の1話に出来そうなくらい、雰囲気がそっくりのものもありました。

人は死なない、犯罪もない(犯罪ではなく、高校生のテストでのカンニングくらい)なかでの、日常の謎ばかり。

が、しかーし!!
これが、実に本格してて面白い!!

例えば
同期の3人の女の子を呼んで開いた週末の鍋パーティー。みんなを送り出した翌朝、部屋には、女物の靴が一足。代わりにサンダルがなくなっていた。週明けに出社しても、誰もその間違いを言ってこないのはなぜか? その動機と誰かを推理する「ガラスの靴」

フイルム・カメラから、デジタル・カメラに切り替えた私に、妻がプレゼントしてくれたのは「カメラのフイルム」だった。私がフイルム・カメラを使用していないことは、妻も知っているはずなのになぜ? 有名なО・ヘンリーの表題作に相応しいロジックの面白さの「賢者の贈り物」

他にも、オブラートに書かれたカンニング・ペーパーの謎を、試験中にひたすら解く「可食性手紙」や、ラストのサプライズに思わず笑みがこぼれる「泡となって消える前に」など、粒ぞろいの短編ばかりです。

それにしても、ページ数の割には、ロジックのこねくり回し度は高く、特に巻頭の「金の携帯 銀の携帯」なんか、もう、どうでもいいよ・・・と思わせるくらいに執拗に、一人で、あーでもない、こーでもない、と論理に淫してます。

まあ、それも石持浅海ならではの面白さ。PHP研究所から出てて、面白みのないタイトル、地味すぎる表紙、小さくて薄すぎる作者の名前、にめげずに是非、読んで欲しい一冊です。
posted by たちばな ますみ at 08:12| Comment(4) | TrackBack(1) | 石持浅海

2008年02月29日

「扉は閉ざされたまま」石持浅海

扉は閉ざされたまま

著者名:石持浅海(著)
出版社:祥伝社
出版年:2008.02
ISBN :9784396334062


「2006年版・このミステリーがすごい!」で第2位になった(1位は「容疑者Xの献身」)、石持浅海「扉は閉ざされたまま」

面白い!!
巻頭いきなり殺人があって、犯人の立場から描かれる、倒叙ものミステリ(そう言えば「容疑者Xの献身」も倒叙もの)なわけですが、さすがは石持浅海、一味も二味も違います。

久しぶりに開かれる大学の同窓会。成城の高級ペンションに七人の旧友が集まった。(あそこなら完璧な密室をつくることができる―)当日、伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。何かの事故か?部屋の外で安否を気遣う友人たち。自殺説さえ浮上し、犯行は計画通り成功したかにみえた。しかし、参加者のひとり碓氷優佳(うすい・ゆか)だけは疑問を抱く。緻密な偽装工作の齟齬をひとつひとつ解いていく優佳。開かない扉を前に、ふたりの息詰まる頭脳戦が始まった…。
(「BOOK」データベースより)

「倒叙もの + 安楽椅子探偵もの + クローズド・サークル」という、今までにない、(実際に読まないと意味がよく分からないかも知れませんが)オリジナリティあふれる本格ミステリです。
ノン・ノベル版の<著者のことば>は、読者の本格ごころをくすぐりつつ、作者としての自信にあふれたことばになっています。

「鍵のかかった扉を、斧でたたき壊す」
本格ミステリの世界にはよくあるシーンです。
「そうではない」話を書こうと思いました。
閉ざされた扉を前にして、探偵と犯人が静かな戦いを繰り広げる。
この本に書かれているのは、そんな物語です。
対決の立会人はわずかに四人。
あなたが、五人目です。


そりゃあ、動機がどうとか、ラストがどうとか、表紙の絵がどうとか、ご飯粒がどうとか、優佳ちゃんに萌えない(?)とか、言い出したら、いろいろありますよ、確かに。
(動機に関しては、その弱さを補強するためなのか、最近出た文庫版には「前夜」と題した前日譚が書き加えられていますが、こんなものは不要だと私は思ってます。)

それらもろもろを、差し引いても、この「扉は閉ざされたまま」は、ミステリとして面白いし、魅力的です。
密室殺人≠ナある必然性と、動機とのリンク、伏線山盛りの「序章」、探偵役の優佳ちゃんの冷徹な推理と犯人・伏見との静かなる戦い・・・

ここまで面白くて、独創性ある作品に、ちまちまとケチを付けてたら、年間ベストなんて選べません。
それとも私はやっぱり本格ミステリに甘いんでしょうか??
(確か、私は「月の扉」の時にも同じことを書いたような気がするんですが・・・まあ、ケチを付けたらダメって訳じゃありませんけどね)

ところで、3月に出る、続編の「君の望む死に方」はその優佳ちゃんが引き続き探偵役だそうで、これも楽しみですね。
WОWОWのドラマでは、「扉」では、黒木あずみ<<Cサが、「君」では松下奈緒
が、それぞれ優佳ちゃんを演じるそうです。
私のイメージとしては、星野真里ちゃんです。(米澤穂信「犬はどこだ」のヒロイン役も)
どんなもんでしょう?

io星野真里写真集

著者名:野村誠一(写真)
出版社:ワニマガジン社
出版年:2001.12
ISBN :9784898298350

posted by たちばな ますみ at 06:42| Comment(2) | TrackBack(1) | 石持浅海

2008年02月21日

「温かな手」石持浅海

温かな手

著者名:石持浅海(著)
出版社:東京創元社
出版年:2007.12
ISBN :9784488024338


「橘高(きったか)さんが、なぜ畑さんの白衣を着て死んでいたのか。研究室には自分の白衣もあったのに」
ギンちゃんはそう言った。
「その意味を考えれば、犯人はわかります」


いいでしょう!? この書き出し。(「白衣の意匠」
本格好きの私は、この一文だけで、ウットリしてしまいます。

お話は・・・
大学の研究室に勤める畑寛子の同居人・ギンちゃんは名探偵。サラリーマンの北西匠の同居人・ムーちゃんも名探偵。人間離れした二人は、彼らが遭遇した殺人事件や騒動を、鮮やかに解き明かす!一風変わった名探偵とそのパートナーが活躍する、著者渾身の連作集。
(「BOOK」データベースより)

このギンちゃんと、ムーちゃん、私は最初、表紙の絵から考えて、ギンザメとエイのことだと思ってました、勝手に。(←ムー≠ニエイ≠ヘ、何の関係もないし、表紙にもエイの絵が描かれているわけでもないのに・・・)

まあ、彼らが何者かは、内緒なので、読んでいただくとして、(とは言え、すぐに分かるんだけど)こういう設定自体、必要なのかな? と思いつつ読んだのですが、東京創元社の石持浅海本人によるここだけのあとがき≠読めば、その必要性が分かります。(でも、必要か???)

例によって、本作も、謎解きのロジックが楽しい。
冒頭の「白衣の意匠」、自殺と殺人の謎「陰樹の森で」、ムーちゃんと痴漢の話「酬い」、陸(おか)マイラーの謎の死「大地を歩む」、そして、男がサービスエリアで消えた謎を解くロジックが面白い「お嬢さんをください事件」の5編は、どれも、少ない手掛かりから、推理をすすめて、展開される、石持節全開の危ういロジックがファンには最高です。

最後の表題作「温かな手」は、最後に、ちょっとしんみりするお話。
続編を書いて欲しいなあ…と思わせるところはさすがです。

石持ファンは、必読でしょう。
posted by たちばな ますみ at 09:09| Comment(2) | TrackBack(0) | 石持浅海

2007年10月25日

「心臓と左手 座間味くんの推理」石持浅海

心臓と左手

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2007.09
ISBN :9784334076610


石持浅海による、「人柱はミイラと出会う」「Rのつく月には気をつけよう」に続いて、またもや「安楽椅子探偵もの」です。
探偵役は「月の扉」で、鮮烈な印象を残した座間味くんです。

同じく「月の扉」の、ハイジャック事件で登場した、大迫警視から、過去の事件の話を聞き、事件の隠された真相を、座間味くんが、解明していくというもの。
事件は、テロリスト、過激派、新興宗教など、かなり特殊なものばかりです。

論理のアクロバットの楽しめるのは、新興宗教で起こった後継者争いの果ての殺人と教祖の斬られた左手の謎(表題作「心臓と左手」)や、過激派の仕掛けた罠の本当の意味は?(「罠の名前」)、ビール醸造タンクの謎(秀逸!!)(「地下のビール工場」)など、安楽椅子探偵ものの面目躍如といえるものばかりです。

ただ、本格ミステリとして、もったいなあ…と思ったのは、例えば「心臓と左手」
事件が、警察的には、すでに解決してしまっている為に、左手が斬られた本当の理由に対する推理なり、疑問がほとんど無いこと。
斬られた左手に関する推理があって、最後に座間味くんの謎解きがあれば、もっと本格として面白かったのでは、と惜しい気がしました。

それから最後に「月の扉」の続編「再会」です。
これは、座間味くんの推理に対して、好き嫌いが分かれてしまいそうな内容で、私もこれはちょっと・・・と思ってしまいました。
(まあ、座間味くんのキャラクターが、一番、際立ってはいるんですが・・・)

「月の扉」を未読の方は、この本読めば、たぶん読みたくと思うので、先に読まれることをお勧めします。(文庫化されてることだし)

月の扉

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2006.04
ISBN :9784334740450

posted by たちばな ますみ at 09:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 石持浅海

2007年09月27日

「Rのつく月には気をつけよう」石持浅海

Rのつく月には気をつけよう

著者名:石持浅海(著)
出版社:祥伝社
出版年:2007.09
ISBN :9784396632878


「人柱はミイラと出会う」に続いて石持浅海による、安楽椅子探偵ものの連作短編「Rのつく月には気をつけよう」です。

「人柱」を紹介した時に、アシモフ「黒後家蜘蛛の会」に触れましたが、この「R」の方は、「黒後家蜘蛛の会」の小型版とも言うべき設定になってます。

湯浅夏美と長江高明、熊井渚の3人は大学時代からの呑み仲間。毎回誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。酔いもまわり口が軽くなったところで盛り上がるのはなんといっても恋愛話で―小粋なミステリー短編。
(「BOOK」データベースより)

毎回、誰かが呑み会にゲストを招いて、その人の話を聞いて、謎解きをする、という流れな訳ですが、酒の種類と肴も毎回違ってて(肴は、そば粉のパンケーキだったり、ぎんなんだったり)、酒の飲めない私でも、ちょっと味見したくなってくるほど美味しそう。

謎解き自体は、「悪魔的な頭脳を持った」長江が担当。ぐらぐら感のある、ロジックの危うさが美しくていいです。
人も死なない、犯罪ですらない、謎解き。(ゲストが、雑談のつもりで話している中から、謎を見つけて解いてしまう、という素晴らしさ!!)

中でも最終話「煙は美人の方へ」では、2種類のひねり技があって、キレイなシメでした。

(また、本の装丁、題字、イラストなどなど、内容にピッタリで、1冊の本としてまとまっていて、手元に置いておきたくなる作りです)
posted by たちばな ますみ at 10:31| Comment(2) | TrackBack(1) | 石持浅海

2007年07月12日

「人柱はミイラと出会う」石持浅海

人柱はミイラと出会う

著者名:石持浅海(著)
出版社:新潮社
出版年:2007.05
ISBN :9784103046714


パラレル・ワールドの日本を舞台に、人柱職人が、安楽椅子探偵を務める、連作短編集。

人柱職人とは、建築物を造る際、安全を祈念して人間が生きたまま、数ヶ月から、長いもので数年、個室に閉じ込もって、基礎工事が終わると出てくることを職業にしている人のこと。

アメリカからの留学生リリー・メイスと一木慶子を狂言回しとして、人柱職人の東郷直海(とうごう・なおみ)が、謎を解いていきます。

私は個人的には安楽椅子探偵ものって好きなんですが、これも面白かったです。
特に、表題作の「人柱はミイラと出会う」がいいです。

安楽椅子探偵では、アシモフ「黒後家蜘蛛の会」なんかが有名ですが、基本的に、探偵役の人物が話を聞き終わった段階で、手掛かりはほとんどさらされているわけですよね?(大体ですが)
語り手の話の中に、伏線はバッチリ張られている。これぞ本格!!

この連作でも、東郷は話を聞いた段階で、大体謎を解いています。
表題作でも、しっかり、伏線が張られていて、無駄がありません。
ただ、後半はちょっと息切れ気味かも・・・

(4話めの「厄年は怪我に注意」は、泡坂妻夫の亜愛一郎シリーズの心理トリックみたいな話!? と途中まで期待してしまいました)
posted by たちばな ますみ at 10:07| Comment(3) | TrackBack(1) | 石持浅海

2007年04月28日

「月の扉」石持浅海

月の扉

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2003.08
ISBN :9784334075330


石持浅海、初めて読みました。私は本格ミステリに対しては、ちょっと甘いのかも知れませんが、この作品は面白かったです。

乗客240名を乗せた旅客機をハイジャックしてる最中に、乗客の一人が、密室のトイレで死体となって発見されます。
で、犯人たちは、ハイジャックしつつ、トイレの死体は自殺か他殺か、延々と議論する、という少し変わったお話です。

その死体に関して、旅客機の後方で、犯人たちが、みんなで、あーでもない、こーでもない、と喧々諤々、議論してます。ハイジャック中にですよ?

でも、しかし。その議論自体は、本格ミステリの王道をいくような、論理の面白さがあります。

その死体に関する結末にしても、旅客機の中の、その状況でないと成立しえない結末だし、ハイジャックの結末も、きちんと伏線が張られていて、とにかく本格ミステリとしては、面白く読めました。(やっぱり甘いなあ・・・)

石持浅海、次を読みたくなる作家です。。。

(蛇足ですが、私は光文社文庫版を読みましたが、カッパ・ノベルス版の方が、表紙が綺麗で幻想的だったので採用しました。お話にも幻想的な部分が出て来るのでピッタリの表紙です)
posted by たちばな ますみ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 石持浅海