〜現世は夢、夜の夢こそまこと〜
江戸川乱歩の名前が出ると、つい読んでしまいます。
「人間椅子」「鏡地獄」などをはじめとした、乱歩の代表作を、「赤い部屋」でひと括りにしたコミック短編集。
かたや、怪奇小説の巨人。かたや、希代の浪漫絵師。
稀有なる才が出逢う時、未知なる綺譚は紡がれた。
原典とは全く異なる結末が誘う六つの妖しき夢物語。
この「乱歩」は、乱歩よりも凄い!!
乱歩の「赤い部屋」という短編は、百物語のように、文字通り赤い部屋≠ノ集まった者たちが、順番に、自分の体験談を話していく、というものですが、この本は、「人間椅子」や「鏡地獄」も、その中のお話の一つという構成をとっています。
収録された短編は、
「百面相役者」
「双生児」
「人間椅子」
「鏡地獄」
「人でなしの恋」
「赤い部屋」
の6編。それぞれ原典とは違うストーリーだったり、ラストになっていたりして、楽しめました。
もちろん、東元の絵も大正浪漫の薫り漂う乱歩作品に、雰囲気がぴったり。
私の、一番のお気に入りは、巻頭の「百面相役者」。
実は、原典の方は、未読だったので、今回読んでみたんですが、乱歩お決まりのラストで、未読だったのも仕方なしか・・・と思わせるものでした。
しかし、東元版は、ストーリー、ラスト共に、原典と違い、捻り具合も素晴らしく、現代風な物語として見事に復活させています。
やっぱり乱歩はいいですね・・・
江戸川乱歩怪奇短編集〜赤い部屋
著者名:江戸川乱歩(著)
東元(画)
出版社:集英社
出版年:2008.07
ISBN :9784088774817
最後に、この本を教えていただいたkazuouさん、ありがとうございます。
トラバさせていただきました。


最初の「百面相役者」と最後の「赤い部屋」が中でもよくできていると思うんですけど、とくに「百面相役者」は素晴らしい出来ですね。
今まで読んだ、乱歩の漫画化作品のなかでは、ダントツに優れた作品だったと思います。
ぜひ、続編も出していただきたいですね。
「百面相役者」の乱歩版は、乱歩の、いつものオチの付け方で、がっかりしました。
(まあ、「赤い部屋」も同じと言えば、同じですが・・・)
そういう意味では、東版は、ホントによく出来てて、感心しました。
(ちなみに「人でなしの恋」は、映画の阿部寛の怪演が、印象深いです)