2008年06月28日

「ボトルネック」米澤穂信

ボトルネック

著者名:米澤穂信(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.08
ISBN :9784103014713


やっぱりすごい、米澤穂信
「ボトルネック」は、同じ日、同じ時間を繰り返さないリプレイ、もしくはリピートとでも言うべき物語。
作者曰く、
「この小説は、自分の20代の『葬送』のつもりで書きました」
アイデンティティの崩壊。
とどめの一行。(あくまでとどめ≠フ一行であり、大逆転≠フ一行にあらず)
まず、気になるボトルネックとは?

【ボトルネック】
瓶の首は細くなっていて、水の流れを妨げる。
そこから、システム全体の効率を上げる場合の妨げとなる部分のことを、ボトルネックと呼ぶ。
全体の向上のためには、まずボトルネックを排除しなければならない。
(本文より)

お話は・・・
恋人を弔うため東尋坊に来ていた僕は、強い眩暈に襲われ、そのまま崖下へ落ちてしまった。―はずだった。ところが、気づけば見慣れた金沢の街中にいる。不可解な想いを胸に自宅へ戻ると、存在しないはずの「姉」に出迎えられた。どうやらここは、「僕の産まれなかった世界」らしい。

兄は、自分のいた世界と同じ兄が存在するけど、自分の代わりに、存在しなかった(死産に終わった)
姉が存在する世界に入り込んだリョウ。
この世界では、自分は存在しない。

そして、自分が生まれた世界と姉のサキの生まれた世界との「間違い探し」を始めるリョウ・・・

これは、ミステリではなく、重い、重い物語。
何せ、20代の「葬送」≠ネのだから、重くないわけがなく、好き嫌いも分かれる所だと思います。
でも、<古典部>にしろ<小市民>にしろ、ユーモアの中にも、ピリ辛風味がするわけで、その延長線上にあると考えれば納得。

納得だけど、このラストは・・・
posted by たちばな ますみ at 08:16| Comment(2) | TrackBack(1) | 米澤穂信
この記事へのコメント
たちばなさんコメントありがとう
毎日ブログを覗いていただき感謝しています。
確かに、表紙絵と、タイトルのフォントはダサイというか感覚が古いですよね。僕も全く同感であります。
アイデアは面白いのですが、重くて暗い結末はどうでしょうかね。
ではまた
Posted by ケント at 2008年08月04日 11:32
重くて暗い結末は、20代の「葬送」≠フ物語だから仕方ないのでしょうか?

米澤は、謎が解けても割り切れないものが残る作品を書いていきたい≠ニも言ってます。
「ボトルネック」は、まさにその通りの物語。

もしかしたら、<小市民>だって、どうなるか、分からないかも・・・
Posted by たちばな ますみ at 2008年08月04日 23:38
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ボトルネック
Excerpt:  2年前に事故で東尋坊から墜落死した恋人を弔うために、同じ場所に立った嵯峨野リョウ。だが彼もバランスを崩して崖から落ちてしまうのだ。そして気がつくと、そこは彼女と初めて言葉を交わした金沢の公園であった
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Tracked: 2008-08-03 11:03