2008年04月28日

「雷の季節の終わりに」恒川光太郎

雷の季節の終わりに

著者名:恒川光太郎(著)
出版社:角川書店
出版年:2006.11
ISBN :9784048737418


異界を書かせれば恒川光太郎ほど上手い作家はいない、と思う。

デビュー作にして、第12回日本ホラー小説大賞受賞作「夜市」をはじめとして、「風の古道」「秋の牢獄」などなど、ほとんどの作品が、異界における物語。
この「雷の季節の終わりに」も、またしかり。

現世から隠れて存在する小さな町・穏(おん)で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?

今、住んでいるすぐ隣に、ひっそりと人知れず口を開けている世界。
すぐ隣にはあるけれど、簡単には行き来できない世界。

その世界観に、ぐいぐい引き込まれます。
やっぱり恒川光太郎は、ストーリー云々よりも、この雰囲気ですね。
ミステリでも、ホラーでもないけれど、恒川ワールドとも言える独特の物語。
いいですね。
posted by たちばな ますみ at 08:01| Comment(4) | TrackBack(1) | 国内作家・た行
この記事へのコメント
おもしろかったですね〜♪
長編は、読み応えがありました。

失踪した姉が・・・とか、
後半は更にぐいぐい引き込まれちゃいました。

次回作が楽しみですね♪
Posted by ラビー at 2008年04月28日 08:55
後半、舞台が急に変わったりしたので、あれ? と思いましたが、最後はキレイにまとめてくれましたね。
ちょっと「風の古道」の続編っぽい感じもしました。
(もちろん、全然違うお話ですが・・・)
Posted by たちばな ますみ at 2008年04月28日 10:01
たちばなますみさんこんにちは
コメントありがとうございます
恒川光太郎、なかなかやりますよね。
新人で即直木賞候補なんて凄すぎる。
文章と構成が素晴らしいですね。
「秋の牢獄」は僕も一番惹かれました。
Posted by ケント at 2008年05月18日 18:59
恒川光太郎には、これから、どんどん、いろんなジャンルに挑戦して欲しいです。
次回作が、ほんとに楽しみ。

そう言えば、今月は、「夜市」が文庫化されますね。
Posted by たちばな ますみ at 2008年05月19日 06:25
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雷の季節の終わりに
Excerpt:  これで現在出版されている恒川光太郎の本を全て読んでしまった。『秋の牢獄』、『夜市』、そして本書の順である。著者はデビューして間もないため、まだ三冊しか出版していないのだから仕方がない。 ただ長編は本
Weblog: ケントのたそがれ劇場
Tracked: 2008-05-17 14:06