雷の季節の終わりに
著者名:恒川光太郎(著)
出版社:角川書店
出版年:2006.11
ISBN :9784048737418
異界を書かせれば恒川光太郎ほど上手い作家はいない、と思う。
デビュー作にして、第12回日本ホラー小説大賞受賞作の「夜市」をはじめとして、「風の古道」「秋の牢獄」などなど、ほとんどの作品が、異界における物語。
この「雷の季節の終わりに」も、またしかり。
現世から隠れて存在する小さな町・穏(おん)で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?
今、住んでいるすぐ隣に、ひっそりと人知れず口を開けている世界。
すぐ隣にはあるけれど、簡単には行き来できない世界。
その世界観に、ぐいぐい引き込まれます。
やっぱり恒川光太郎は、ストーリー云々よりも、この雰囲気ですね。
ミステリでも、ホラーでもないけれど、恒川ワールドとも言える独特の物語。
いいですね。

長編は、読み応えがありました。
失踪した姉が・・・とか、
後半は更にぐいぐい引き込まれちゃいました。
次回作が楽しみですね♪
ちょっと「風の古道」の続編っぽい感じもしました。
(もちろん、全然違うお話ですが・・・)
コメントありがとうございます
恒川光太郎、なかなかやりますよね。
新人で即直木賞候補なんて凄すぎる。
文章と構成が素晴らしいですね。
「秋の牢獄」は僕も一番惹かれました。
次回作が、ほんとに楽しみ。
そう言えば、今月は、「夜市」が文庫化されますね。