2007年04月28日

「月の扉」石持浅海

月の扉

著者名:石持浅海(著)
出版社:光文社
出版年:2003.08
ISBN :9784334075330


石持浅海、初めて読みました。私は本格ミステリに対しては、ちょっと甘いのかも知れませんが、この作品は面白かったです。

乗客240名を乗せた旅客機をハイジャックしてる最中に、乗客の一人が、密室のトイレで死体となって発見されます。
で、犯人たちは、ハイジャックしつつ、トイレの死体は自殺か他殺か、延々と議論する、という少し変わったお話です。

その死体に関して、旅客機の後方で、犯人たちが、みんなで、あーでもない、こーでもない、と喧々諤々、議論してます。ハイジャック中にですよ?

でも、しかし。その議論自体は、本格ミステリの王道をいくような、論理の面白さがあります。

その死体に関する結末にしても、旅客機の中の、その状況でないと成立しえない結末だし、ハイジャックの結末も、きちんと伏線が張られていて、とにかく本格ミステリとしては、面白く読めました。(やっぱり甘いなあ・・・)

石持浅海、次を読みたくなる作家です。。。

(蛇足ですが、私は光文社文庫版を読みましたが、カッパ・ノベルス版の方が、表紙が綺麗で幻想的だったので採用しました。お話にも幻想的な部分が出て来るのでピッタリの表紙です)
posted by たちばな ますみ at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 石持浅海

2007年04月25日

「トカジノフ」戸梶圭太

トカジノフ

著者名:戸梶圭太(著)
出版社:角川書店
出版年:2006.08
ISBN :9784043831012


戸梶圭太は初めてですが、この短編集、スラスラ読めるし、スピード感と暴力と官能(?)とで、面白いんだけど、戸梶は、この1冊で満腹ってカンジです。

空手つかいのジャンキーと、ボクシングつかいのジャンキーが対決する「Jの利用法」や、糞害を撒き散らすハトを、エアーガンや火炎放射器で成敗する「鳩殺し」が、面白かったですね。。。

でもまあ、どれもこれも、居酒屋で、友人とグダグダ冗談言い合ってるうちに出来た話を1冊にまとめた、みたいな本というのが私の感想。
posted by たちばな ますみ at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・た行

「まだ見ぬ冬の悲しみも」山本 弘

まだ見ぬ冬の悲しみも

著者名:山本弘(著)
出版社:早川書房
出版年:2006.01
ISBN :9784152086990


SFを、あまり読まない人や、苦手な人に、おすすめします。(私もそう)
全6編の短編集で、すごく読みやすいし、これから派生して、他のSF作品や、作家のものを読もうと思えてきます。

私は、今まで読んできた、いろいろなSFを思い出しながら、読みました。
巻頭の「奥歯のスイッチを入れろ」では、SSS(ソニック・スピード・ソルジャー)というニュードロドイド(アンドロイドみたいなもの?)が出てくるんですが、高速で動き回れるので、周りの人間はゆっくり動いてる、みたいな。
島村ジョーですよね? 私は筒井康隆「お助け」を、思い出しました。(古い??)

「闇からの衝動」は、実在の作家であるC.L.ムーアとヘンリー・カットナーが主役だったりします。
クトゥルーっぽい(?)お話ですが、これを読みながら私は、ムーアの「シャンブロウ」を、無性に読みたくなりました。

SFをよく読んでる人なら、「ああ、これはあのお話ね?」って楽しめるんでしょう。
でも、読んでない私でも、そこそこ楽しめました。
興味のある方はどうぞ。ところで・・・
posted by たちばな ますみ at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・や行

2007年04月18日

「アビシニアン」古川日出男

沈黙/アビシニアン

著者名:古川日出男(著)
出版社:角川書店
出版年:2003.07
ISBN :9784043636020


私は、幻冬舎からでているハードカバー版の「アビシニアン」を読んだのですが、ハッキリ言って、よく分かりません。
(ハードカバー版には「沈黙」は入ってません)

ミステリじゃなくて恋愛小説ですが、一章だけが面白かったです。
おまけ
posted by たちばな ますみ at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 古川日出男

2007年04月13日

祝!文庫化!!「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

イニシエーション・ラブ

著者名:乾くるみ(著)
出版社:文藝春秋
出版年:2007.04
ISBN :9784167732011


みなさん、お待たせしました!!
乾くるみ「イニシエーション・ラブ」、文春より文庫本で出ましたあ!!

それにしても、コピーや内容紹介の二度読みたくなる≠ニか、最後から二行目≠ェどうとか、いらんお世話ですよね。
さらに、ひと昔前のコバルトっぽい爽やか青春小説のような表紙デザイン。。。
(でも、これはもしかして・・・?)
それと、私は、実物をまだ見ていないので、よくわからないのですが、表紙の右下、RとSの上あたりに描かれているのは何でしょう・・・???

まあ、とにかく文庫化されたので、未読の方、布教に努めたい方、本屋へGОです!!マユをキャスティングするなら・・・
posted by たちばな ますみ at 00:09| Comment(6) | TrackBack(0) | 乾くるみ

2007年04月11日

「ベルカ、吠えないのか?」古川日出男

ベルカ、吠えないのか?

著者名:古川日出男(著)
出版社:文芸春秋
出版年:2005.04
ISBN :9784163239101


今、私がもっとも注目している作家、古川日出男

無限の物語の拡がりと、そこはかとない哀愁を感じさせるタイトル。。。

戦争の世紀であった二十世紀の戦争を、軍用犬の目から見て再構築したのが、この「ベルカ、吠えないのか?」

北海道犬の北、ジャーマン・シェパードの正勇、勝、そしてエクスプロージョンの4頭から、この物語は始まります。
そして、謎の老人と、ヤクザの嬢≠フ話。

軍用犬≠ニか戦争≠ニか言うと、すごく硬い感じを受けるかも知れませんが、大丈夫。
難しくはありません。
ただ、珍しい二人称が使われていたり、独特の文体なので、好き嫌いは分かれてしまうかも。
でも、嫌いでも読んで欲しいなあ。
だって、面白いから。

4頭の子孫たちのたどる、数奇な運命と、戦争。斬新な視点とストーリー、溢れるイマジネーションの素晴らしさは、他に類を見ません。
これぞ、小説。必読です!!
うぉん。
それからね…
posted by たちばな ますみ at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 古川日出男

2007年04月03日

「ハンニバル・ライジング」トマス・ハリス

これは、ハンニバル・レクターが幼少期から青年期にかけて、いかにして怪物となったか?という話。
のはずなんだけど、これって単なる復讐譚で、たぶん、読む人の多くは、レクターに感情移入してしまうだろうし、「どうせ、ひどい殺し方で復讐するんでしょ?」って思いつつ、かつ、期待しつつ読むよね、たぶん。(たぶんね、たぶん)

まあ、あの人食いレクターが、“いい人”になった、とまでは言わないまでも、家族を殺されたっていう正当な? 理由があって殺人を行うんだからね。
お話としても、六人の名前が並んだ段階で、この人たちを順番に殺しちゃうのね、って分かっちゃうでしょ?(「キル・ビル」みたい)

「羊たちの沈黙」を初めて読んだ時の、犯人側だけじゃなく、探偵側(レクター)さえも気持ち悪くて、不快で、こんな小説読みたくないと思うんだけど、それ以上に面白いのでやめられない!!という、嘘みたいな力は、残念ながら「ハンニバル・ライジング」にはありません。

「羊たちの沈黙」という小説と映画によりサイコ・ホラーブームを起こし、前作「ハンニバル」によって自ら、そのブームに終止符を打ったトマス・ハリスだったのに、この小説は、まさに蛇足と言う他なく、さらにこの続編云々とは、何をかいわんやである。

ハンニバル・ライジング 上巻

著者名:トマス・ハリス(著)
高見浩(訳)
出版社:新潮社
出版年:2007.03
ISBN :9784102167069


ハンニバル・ライジング 下巻

著者名:トマス・ハリス(著)
高見浩(訳)
出版社:新潮社
出版年:2007.03
ISBN :9784102167076

posted by たちばな ますみ at 22:35| Comment(7) | TrackBack(3) | 海外作家