2007年03月28日

「まどろむベイビーキッス」小川勝己

まどろむベイビーキッス

著者名:小川勝己(著)
出版社:角川書店
出版年:2002.09
ISBN :9784048734042


キャバクラ「ベイビーキッス」に勤めるみちるの孤独。

メインの仕掛けもアンフェア気味だし、時刻表のトリックも陳腐すぎ(あえて陳腐にしてるのかな?)なんだけど、それによって、際立つみちるの孤独感が本書の読みどころか。

キャバクラを現実世界の自分のいられる場所とし、虚構世界のHPにも逃げ場を作っていたみちるだが、両方共の世界に亀裂が入り、破滅へと暴走してしまう。。。

でも、ミステリだと思って読んでると腹が立つかも。
(例えば、巻頭にある、なんとも思わせぶりなベイビーキッスの見取り図。私は、「おっ、密室殺人??」って思いましたから)

最後のフレーズが、胸にグッときます。泣かせます。

(角川文庫からも出ていますが、私は単行本の表紙の方が好きなので、そちらを採用しました)
posted by たちばな ますみ at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・あ行

2007年03月18日

「イニシエーション・ラブ」乾くるみ

イニシエーション・ラブ

著者名:乾くるみ(著)
出版社:原書房
出版年:2004.04
ISBN :9784562037612


神様、ありがとうございます、私をこんな素晴らしい作品にめぐり合わせてくれて・・・
本当に感謝します。私は、こういう作品に出会いたいがためにミステリを読んでいるんです。

読み終えて、鳥肌が立ちました。

でも、どうしてこの作品が、「このミス」で、その年の12位で、同じ年の「生首に聞いてみろ」が1位なんでしょ???
訳がわかりませんね。

何をどう書いてもネタバレになるので、(と、書くだけでネタバレになってる気もしますが・・・)何も聞かず、言わず、とにかく読んで下さい。いや、読め!! 本屋へ走れ!! そして買え!!!


読み終わってる人はこちらをどうぞ
posted by たちばな ますみ at 01:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 乾くるみ

「夜のピクニック」恩田 陸

夜のピクニック

著者名:恩田陸(著)
出版社:新潮社
出版年:2006.09
ISBN :9784101234175


恩田陸の本、10冊も読んでるくせに、今更こんなこと言うのも気が引けるんですが、ホントにどの作品も中途半端感が強いんです。(最悪は「図書室の海」!)

とは言え、最初は面白そうだと思うからこそ読んでるんですが、どれもフワフワしてて、最後が・・・?  なんですよねえ。(まあ、そういうとこが好き嫌いの分かれ目でもあるんでしょうが・・・)

で、第二回本屋大賞をとった本書でダメなら、もーダメだろうと思って読んだわけですが、やっぱりだめでした・・・私の感性が鈍くなってるんです、きっと。。。

その証拠に、読んでてこのシーンいいなあ、とかほとんど思わなかったのに、映画版「夜ピク」の予告篇で、みんながただ歩いてるだけのシーンで、胸がつまってしまったりして・・・
(いや、別に内堀亮子役の高部あいチャンに胸キュン63889とか、そういうのじゃないですけどね・・・ホント)

ダメだなあ・・・

でも、恩田陸、10連敗ってわけじゃないですよ。良かったのもありました。
例えば・・・
posted by たちばな ますみ at 00:14| Comment(0) | TrackBack(1) | 恩田 陸

2007年03月17日

「素数ゼミの謎」吉村 仁

素数ゼミの謎

著者名:吉村仁(著)
石森愛彦(画)
出版社:文芸春秋
出版年:2005.07
ISBN :9784163672304


とにかく読んで下さい!!
この本、面白すぎます。下手な本格ミステリより、よっぽど本格ミステリしてます。

アメリカにいる13年、あるいは17年ごとに一部の地域だけに、何億匹も大量発生し、数週間だけ凄い声で鳴き交わして死んでゆくセミ。
素数ゼミ、周期ゼミと呼ばれる、このセミに関する謎は、大きく分けて次の3つ。


「なぜこんなに長年かけて成虫になるのか?」

「なぜこんなにいっぺんに同じ場所で大量発生するのか?」

「なぜ13年と17年なのか?」



作者の吉村教授は、この3つの謎を、さくさく、くいくい、豊かな想像力で、論理的に解いていきます。
特に、3つめの「13、あるいは17という素数でなければならない理由」には感動すら覚えてしまいます。

絵本みたいで、数学なんかが苦手の人でも大丈夫。是非、読んでみて下さいね。
posted by たちばな ますみ at 23:16| Comment(0) | TrackBack(2) | 国内作家・や行

「生首に聞いてみろ」法月綸太郎

生首に聞いてみろ

著者名:法月綸太郎(著)
出版社:角川書店
出版年:2004.09
ISBN :9784048734745


2005年の「このミス」の国内年間ベスト作品ということで、過剰な期待をした私も悪いのかも知れませんが、ハッキリ言って(スッスッ、ハッハッ)、期待ハズレでした。

トリックのためなら、後味の悪さも仕方なし、とする法月の姿勢はよし、としても、小説としておかしな、ご都合主義や、偶然に左右されるところが、多すぎです。

この作品を手放しで褒めている人っていうのは、そういう箇所すべてに目をつぶっているんでしょうか・・・?

なんだかなー、というのが正直な感想です。
posted by たちばな ますみ at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・な行

2007年03月05日

「臨場」横山秀夫

臨場

著者名:横山秀夫(著)
出版社:光文社
出版年:2004.04
ISBN :9784334924294


地味なタイトル、地味な表紙、カバーには粗筋すら書かれていない・・・
でも、やっぱり横山秀夫は面白かった!!

L県警捜査第一課調査官、倉石義男。五十二歳。『終身検視官』の異名を持ち、事件現場へ臨場≠オ、他殺か自殺か事故なのかを見極めるのが仕事である。
この倉石を軸に語られる8篇の連作短編。
さすがは横山秀夫、とにかく登場人物がみんなキャラ立ちしてます!

しかも、8篇ともに切れ味よく、ひねりも効いてます。
ラストがきれいに決まる「赤い名刺」、臨場版「半落ち」(?)の「真夜中の調書」、私が一番好きな、うるっときちゃった「黒星」
今まで完璧に検視してきた倉石が、初めての黒星を喫してまで捜査にこだわった理由は何か?
カッコ良すぎです。

とにかく、どれも面白くて、倉石さんはシブいっ。
それと最後の「十七年蝉」を読むと、続編が出来そうな、これで終わりって言われてるような・・・どちらとも取れそうなところがあります。

まあ、横山秀夫なら、同じキャラクター使わなくても、いくらでも新しいキャラを作れるんでしょうけど。

2004年の本なので、今更ですが、文庫本になったら読んでくださいね。おすすめです。


どうでもいいかも知れませんけど・・・
posted by たちばな ますみ at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内作家・や行